ある職員が、
大切なことを相手へ伝えるときに、
連絡の仕方を間違えてしまったことがありました。
本来なら、
もう少し丁寧に説明する必要がある内容でした。
でも、
文章だけで伝えてしまったことで、
相手とのやり取りがこじれてしまいました。
その後の対応も長引きました。
私は途中から、
「後はこちらでやるから。」
と、その案件を引き取りました。
もちろん、
「やり方は間違っていなかったよ。」
と言ったわけではありません。
失敗したことは、
きちんと振り返る必要があります。
ただ、
本人と面談したときに、
私は、
「私はあなたの責任だとは言ってないよね。」
と伝えました。
失敗したのは本人です。
でも、
「あなたがやったことだから、
あとは全部あなたの責任です。」
と切り離すことは、
私にはできませんでした。
その人が私の部下として仕事をしていた以上、
最終的には、
私にも責任があります。
この出来事のあと、
少し変化がありました。
その職員から、
以前よりいろいろな報告が上がってくるようになったのです。
特に増えたのが、
「状況が悪化する前に、
先に伝えておきます。」
という報告でした。
私はその姿を見て、
「ちゃんと報告できるようになってきたなぁ。」
と思いました。
それと同時に、
「関係性が変わってきたなぁ。」
とも感じました。
早く報告が上がると、
こちらも早く動けます。
まだ問題が小さいうちなら、
できることもたくさんあります。
少し話をするだけで済むかもしれない。
関係者へ確認すれば、
解決できるかもしれない。
いくつかの選択肢の中から、
一番いい方法を選べるかもしれない。
でも、
報告が遅れて、
問題が大きくなってから知ると、
できることはどんどん少なくなります。
だから私は、
「悪い報告ほど、早く上がってくる。」
ということは、
組織にとってとても大切だと思っています。
では、
どうしたら悪い報告が早く上がるのか。
もちろん、
「何かあったらすぐ報告してね。」
と言うことも必要です。
でも、
それだけではないのだと思います。
部下は、
失敗したときに上司がどうする人なのかを、
よく見ています。
何か起きた瞬間に、
「それはあなたの責任でしょう。」
と切り離す人なのか。
自分を守るために、
部下を前へ出す人なのか。
それとも、
失敗は振り返らせるけれど、
最後は、
「ここから先は自分も一緒に対応する。」
と言える人なのか。
そこは、
次の報告に影響すると思っています。
もし、
「失敗を報告したら全部自分のせいにされる。」
と思ったら、
人は言いづらくなると思います。
少し様子を見よう。
自分で何とかしよう。
もう少し大きくなってから言おう。
そうしているうちに、
報告が遅れてしまうこともあります。
私はそれが一番怖いです。
だからといって、
部下に責任を持たせなくていい、
ということではありません。
同じ失敗を何度も繰り返せば、
当然、伝え方も変わります。
本人が考えなければならないこともあります。
改善してもらわなければならないこともあります。
でも、
部下に責任を持たせることと、
上司が最終責任を引き受けることは、
別の話だと思っています。
私自身も、
これまで何度も上司に責任を引き受けてもらいました。
その中で、
今でも覚えている言葉があります。
「責任は自分が取るから、
あなたの思うようにやってみなさい。」
そう言われたことがありました。
不思議なことに、
「じゃあ、好きにやっていいんだ。」
とは思いませんでした。
むしろ、
「だからこそ、失敗できないな。」
と思いました。
信頼して任せてもらったからこそ、
いつも以上に慎重に考えました。
責任を引き受けてもらうことは、
人を無責任にするとは限らない。
私自身が、
そうしてもらってきたから分かります。
だから今度は、
自分が上司になったとき、
部下の失敗を使って、
自分だけ責任の外へ逃げる人にはなりたくないと思っています。
もちろん、
自分だって失敗は怖いです。
自分が悪く思われたくない気持ちもあります。
みんな自分が可愛いのは分かります。
でも、
だからといって、
部下のせいにするのは違うと思っています。
その立場にいるなら、
最後は、
「自分の責任です。」
と言える覚悟は持っていたい。
そして、
その姿を部下が見ているからこそ、
次に何かあったとき、
「悪化する前に、
先に伝えておきます。」
という報告が上がってくるのだと思います。
🌱 この判断基準が生まれた背景
ある職員が重要な連絡の仕方を誤り、相手とのやり取りがこじれたことがありました。私は案件を引き取り、本人には失敗を振り返ってもらいながらも、「あなた一人の責任とは言っていない」と伝えました。その後、本人から早めの報告が増え、責任の取り方が次の報告行動まで変えるのだと気づきました。
🧭 今日の判断基準
部下には、
自分の仕事への責任を持ってもらう。
でも、
部下のせいにはしない。
失敗が起きたとき、
上司が自分だけ責任の外へ逃げない。
その姿勢が、
「悪いことも早く報告していい。」
という関係をつくる。
悪い情報が早く上がれば、
問題が小さいうちに動ける。
そして、
選べる対応も増える。
💡 この判断基準を使う場面
・部下が失敗したとき
・悪い報告がなかなか上がってこないと感じるとき
・部下からの相談が遅いと感じるとき
・自分の上司へ問題を報告するとき
・部下に責任を持たせることと、責めることの違いを考えるとき
・「なぜもっと早く言わなかったの?」と思ったとき
今日も、一つの判断を未来へ。🧭
生長の日々。ー未来へつなぐ– 