ある管理者から、
「管理者を辞めたい。」
という話が続いていました。
その人は、
仕事ができない人ではありませんでした。
周囲からも頼られていて、
店舗の状況も良くなってきていました。
私から見ても、
「ちゃんとできている。」
と思っていました。
だから最初は、
「ここまでできているんだから、
もう少し頑張ってもらえないかな。」
と思っていました。
本人にも何度も、
「ちゃんとできているよ。」
「あと一歩だよ。」
と伝えてきました。
一度話を聞いただけではありません。
何度も、
本当に何度も話を聞きました。
それでも、
「管理者を辞めたい。」
という本人の意思は変わりませんでした。
最初の頃の私は、
何とかもう一度、
前を向いてもらえないかな。
どうしたら続けてもらえるかな。
そんなことを考えていました。
でも、
話を重ねる中で、
本人から少しずつ、
違う言葉が出てくるようになりました。
「できないことが増えてきている。」
「いろいろ考えることがしんどい。」
そんな言葉でした。
そして、
それは本人がそう感じているだけではありませんでした。
私から見ても、
以前ならできていたことが、
少しずつできなくなってきているように感じました。
判断すること。
考えること。
仕事を前へ進めること。
そういうところに、
少しずつ変化が出ていました。
「モチベーションを維持できていないんだろうなぁ。」
「疲弊しすぎちゃっているんだろうなぁ。」
そう思うようになりました。
ここで、
私の考え方が少し変わりました。
できていない人であれば、
「この役割は合っていないのかもしれない。」
と考えることは、
それほど難しくありません。
でも、
今までできていた人。
成果を出してきた人。
周囲からも頼られている人。
そんな人が、
「もう続けたくない。」
と言ったときの方が、
手放す判断はずっと難しいのだと思います。
上司からすると、
「まだできる。」
「もったいない。」
「あと少しなのに。」
と思ってしまうからです。
私もそうでした。
でも、
会社や上司が
「まだできる。」
と思うことと、
本人が
「もう一度やってみたい。」
と思うことは、
同じではありません。
今回のことで、
私は改めて気づきました。
私は、
「できるか、できないか。」
だけを見て、
人を育てようとしているわけではありませんでした。
むしろ見ていたのは、
「できるようになろうとしているか。」
でした。
今できていないことがあっても、
「もう一度やってみたい。」
「どうしたらできるか考えたい。」
「できないところを一緒に考えてほしい。」
そんな気持ちが残っているなら、
私はまだ一緒に頑張れると思います。
実際、
今回の本人が、
「しんどいけど、
もう一度やってみたい。」
と言っていたら、
私は管理者を続けてもらっていたと思います。
できないことがあるからではありません。
できていなくても、
頑張ろうとする姿勢があるなら、
まだ支えられるからです。
私はやっぱり、
できる・できないより、
姿勢を見る人なのだと思います。笑
だから今回、
役割を変えることを考えた理由も、
「できなくなったから。」
だけではありませんでした。
本人自身が、
できないことが増えてきたと感じている。
考えることがしんどいと話している。
実際の仕事にも、
その変化が見え始めている。
そして何度話しても、
「もう一度やってみたい。」
という方向には、
本人の気持ちが戻らなかった。
そこまで来て、
「仕方がない。」
と思えるようになりました。
ずっと頑張ってきた人だからこそ、
過去の成果だけを見て、
「まだできるから。」
と引き止め続けることが、
育成とは限らないのだと思います。
育てることを諦めないことと、
本人が成長するところまで
こちらが背負うことは違います。
今できているか。
今できていないか。
それだけではなく、
今、
もう一度やろうとしているか。
私は、
そこを見ていたのだと思います。
🌱 この判断基準が生まれた背景
ある管理者から、何度も「役割を降りたい」と相談を受けました。これまで成果を出し、周囲からも頼られていたため、最初は何とか続けてほしいと思っていました。しかし話を重ねるうちに、本人から「できないことが増えた」「考えることがしんどい」という言葉が出て、実際の仕事にも変化が見え始めました。そこで、過去の能力ではなく、今の本人の姿勢を見る必要があると気づきました。
🧭 今日の判断基準
育てるかどうかを考えるとき、
「できる・できない」だけで決めない。
できていなくても、
本人に
「できるようになろう」
という姿勢が残っているなら、
まだ一緒に考えられる。
反対に、
今までできていた人でも、
その姿勢を保てないほど疲れているなら、
「まだできる人だから。」
という理由だけで
引き止め続けない。
過去の能力ではなく、
今、
もう一度やろうとしているかを見る。
💡 この判断基準を使う場面
・管理者や責任者から、役割を降りたいと相談されたとき
・成果を出してきた人を、引き止めるか迷ったとき
・できていないことが増えた人への支援を考えるとき
・育成を続けるか、役割を変えるか判断するとき
・本人の能力と、今の意思を分けて考えたいとき
今日も、一つの判断を未来へ。🧭
生長の日々。ー未来へつなぐ– 