職場でAI日報の試験運用を始めたとき、私は少し期待していました。
質問に答えていくだけで、その日の業務が整理され、読みやすい日報になる。
これなら、文章を書くことが苦手な人でも使いやすいのではないか。
そう考えていたのです。
実際に使ってもらうと、AIに慣れている人は、必要な情報を足したり、表現を修正したりしながら、上手に使っていました。
一方で、AIをあまり使ったことがない人は、質問に一つ答えるたびに先へ進み、最後になってから、
「ほかにもやったことがあった。」
と気づくことがありました。
同じ仕組みを使っているのに、出来上がる日報にも差がありました。
項目が整理され、読みやすく仕上がる人もいれば、話した内容がそのまま並び、少し読みにくくなる人もいました。
最初は、
「使い方に慣れてもらえばよい。」
と思っていました。
けれど、それだけでよいのだろうかと考えるようになりました。
AIを使える人だけが、便利さを受け取れる。
慣れている人だけが、質の高い成果物を作れる。
それでは、職場の仕組みとして十分とは言えません。
そもそも、AI日報を作ろうと思ったのは、AIに詳しい人を増やすためではありません。
日報を書く負担を減らしながら、必要な報告をきちんと残せるようにするためでした。
それならば、使う人の技量に頼るのではなく、誰が使っても一定のところまで進める仕組みにしなければなりません。
たとえば、一つの業務を答えたあとに、すぐ次の項目へ進ませるのではなく、
「ほかに行ったことはありますか?」
と確認する。
話した内容が少ないときには、不足している部分だけを聞く。
最後には、本人が内容を確認してから日報を完成させる。
何を書けばよいのか迷わないように、質問の順番や言葉も分かりやすくする。
こうした小さな工夫が、使う人の差を埋めていきます。
AIの仕組みを作るとき、つい高機能なものを目指したくなります。
いろいろなことができる。
細かく設定できる。
自由に指示を変えられる。
けれど、自由度が高いほど、使う人には判断が求められます。
AIに慣れていない人にとっては、その自由さが、かえって難しさになることもあります。
職場で必要なのは、最もAIに詳しい人が使いこなせる仕組みではありません。
初めて使う人でも、途中で迷わず、必要な成果までたどり着ける仕組みです。
もちろん、すべての人が全く同じ結果になるわけではありません。
話す内容や経験によって、日報の中身は変わります。
それでも、
何を入力すればよいのか。
どこまで答えればよいのか。
最後に何を確認すればよいのか。
その道筋を仕組みの中で示すことはできます。
AIを導入すると、使う人の能力が問われるように見えます。
けれど本当に問われているのは、導入する側が、どこまで使う人の立場に立って仕組みを作れているかではないでしょうか。
「分からなければ聞いてください。」
「慣れれば使えるようになります。」
それだけでは、使えない人が置き去りになります。
つまずく場所を見つけたら、そこを仕組みで補う。
使い方を説明するだけでなく、迷わなくても進める形に変える。
誰かが失敗したときに、その人の問題で終わらせず、
「仕組みのどこを直せば、次はうまくいくのか。」
と考える。
それが、職場へAIを導入する側の役割なのだと思います。
AIは、使える人だけの特別な道具ではありません。
本来は、文章が得意ではない人や、考えを整理することに時間がかかる人を助けることもできる道具です。
だからこそ、AIを使える人を選ぶのではなく、誰でも使える形へ近づけていきたいと思います。
一度作って終わりではありません。
実際に使ってもらい、迷ったところを確認し、少しずつ直していく。
その積み重ねによって、AIは個人の便利な道具から、組織を支える仕組みへ変わっていくのだと思います。
🌱 今日の気づき
大切なのは、AIを使いこなせる人を増やすことだけではありません。
誰が使っても必要な成果へたどり着けるように、つまずきを仕組みで補うこと。
そこから、本当のAI活用が始まるのだと思います。
今日も、AIとともに一歩前へ。🤖
生長の日々。ー未来へつなぐ– 
