以前の私は、
「管理者なんだから、
これくらいはできてほしい。」
と思うことがありました。
自分自身も、
「その役職なんだから。」
と言われながら仕事をしてきたので、
いつの間にか、
同じようなことを人にも求めていたのだと思います。
でも、
ある職場を見ているうちに、
少し考え方が変わりました。
そこには、
真面目で実行力のある管理者がいました。
頼んだことはきちんとやる。
決めたことも進める。
その一方で、
経験の長いスタッフには、
管理者とは違う強みがありました。
何かが起きたとき、
「これは、いつもとちょっと違う。」
「このまま進めない方がいいかもしれない。」
そんな違和感に気づく力です。
長く現場を経験しているからこそ、
拾えるものがありました。
以前の私は、
それを見ても、
「管理者なんだから、
そこまで気づけるようになってほしい。」
と思っていたと思います。
でも、
考えてみれば、
一人の人に、
実行力も、
経験も、
判断力も、
気づく力も、
全部そろっていることの方が
珍しいんですよね。
管理者には、
管理者の強みがある。
経験の長いスタッフには、
その人の強みがある。
だったら、
同じ能力を持つ人を
もう一人作ろうとするより、
違う能力を組み合わせた方がいい。
そう思うようになりました。
ただ、
それだけでは足りないことも分かりました。
あるとき、
その経験の長いスタッフが、
二週間ほど職場を離れました。
たった二週間です。
でも、
私にとっては、
「長い二週間だったなぁ。」
と感じました。
その人がいないことで、
今までその人が
自然にやってくれていたことが
見えてきたからです。
危なそうなことを止めていた。
管理者が気づかなかったところを拾っていた。
「これは上に確認した方がいいのでは。」
と声をかけていた。
それまで私は、
「経験がある人だから助かっている。」
くらいに考えていました。
でも、
実際にいなくなってみると、
その人が担っていたのは
単なる「経験」ではありませんでした。
職場が大きな問題へ進まないように、
途中で止める機能。
違和感に気づいて、
「一度確認しよう。」
と声を上げる機能。
そういうものだったんです。
二週間なら、
何とか回せました。
でも、
「これが数か月だったらどうなるんだろう。」
と考えました。
人と人が補い合うことは大切です。
でも、
「あの人がいるから大丈夫。」
のままでは、
その人がいなくなった瞬間に
仕組みが崩れます。
そこで私は、
「この人をどう育てれば、
同じようにできるようになるか。」
ではなく、
「この人が抜けたとき、
何の機能がなくなるのか。」
を見るようになりました。
今回であれば、
必要だったのは、
経験の長い人と
まったく同じ判断ができる人を作ることではありません。
最低限、
「これはいつもと違う。」
「自分たちだけで進めない方がいい。」
「一度、上に確認した方がいい。」
そこに気づいて、
止まれることでした。
だったら、
その判断を
人の感覚だけに置いておかず、
仕組みにすればいい。
そう考えて、
重大な案件について、
どんなときに一度止まるのか。
どんなときに確認するのか。
どの段階で上へ相談するのか。
その基準を作りました。
最初から、
完璧なものを作れたわけではありません。
まず叩き台を作って、
「これで一度やってみよう。」
というところから始めました。
使ってみて、
足りなければ直す。
判断しづらければ、
また基準を変える。
人によって経験も違えば、
判断できる範囲も違います。
だから、
全員が同じレベルになることを
待つ必要はないと思っています。
大切なのは、
一人の人に全部を求めることではなく、
それぞれが持っている力を使いながら、
誰か一人が抜けたときに
止まってしまう部分だけは、
少しずつ仕組みに変えていくこと。
そうすると、
「あの人がいないからできない。」
が少しずつ減っていきます。
最初に目指したのは、
経験の長いスタッフが休んでも、
職場が回ることでした。
でも、
本当はその先です。
管理者がいなくても。
経験のある人がいなくても。
そして最終的には、
私がいなくても。
必要なところで止まり、
必要なところで相談し、
仕事が続いていく。
そんな状態を作れたら、
それが一番強い組織なのだと思います。
🌱 この判断基準が生まれた背景
経験の長いスタッフが短期間職場を離れたことで、その人が「危ないことを止める」「管理者が気づかない違和感を拾う」という機能を担っていたことに気づきました。一人に同じ能力を求めるのではなく、その人が抜けたときに失われる機能を見つけ、仕組みに変える必要があると考えるようになりました。
🧭 今日の判断基準
一人に、
全部の能力を求めない。
人には、
それぞれ違う強みがある。
だから、
違う能力を組み合わせればいい。
ただし、
「あの人がいるから大丈夫。」
で終わらせない。
その人が抜けたとき、
何の機能がなくなるのかを見る。
そして、
なくなると仕事が止まる機能は、
人ではなく仕組みに残す。
💡 この判断基準を使う場面
・特定の人が休むと仕事が止まるとき
・管理者一人に多くの能力を求めすぎているとき
・ベテラン職員への依存が強くなっているとき
・役割分担やバックアップ体制を考えるとき
・属人化している仕事を仕組みに変えたいとき
今日も、一つの判断を未来へ。🧭
生長の日々。ー未来へつなぐ– 
